臨床神経学
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総説
CADASILの診断,病態,治療の進歩―本邦におけるCADASIL診断基準の作成―
水野 敏樹
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2012 年 52 巻 5 号 p. 303-313

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抄録

CADASILに関する病態生理,発症機構に関する知見は臨床研究,画像診断,病理学的解析,細胞実験,遺伝子改変動物によりこの10年間進歩してきた.われわれはこの10年間で遺伝子診断により33家系37例のCADASILを確定診断し,本邦例では片頭痛以外の臨床症状の発症年齢は60歳以上の高齢発症例が多いこと.高血圧,糖尿病,脂質代謝異常,喫煙のいずれかの危険因子を有する率が高いこと,明らかな家族歴が確認できないことをみいだした.このためDavousにより提唱されたCADASILの診断基準をもちいると感度が低く,本邦の実態に即して診断を見逃さないため新しい診断基準を作成し,その妥当性を確認した.

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© 2012 日本神経学会
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